2026年 睦月
凍る音を聞きに
睦月の森は、音を失う。葉を落とした木々の間を歩いていると、自分の足音だけが妙に大きく響く。渓流の表面は薄い氷に覆われ、その下でだけ、水がまだ生きていることを教えてくれる。私たちは耳を澄ませ、氷の下を流れる水音を探しながら、しばらく立ち止まっていた。
寒さの中で歩く道は、決して楽ではない。それでも、息が白く広がるたびに、山がまだ静かに呼吸していることを実感する。夏には気づかなかった、木の幹の色や、雪の重みで少し傾いた枝ぶりにも、この季節だからこそ目が向く。歩くことは、見ることでもあるのだと、あらためて思う一日だった。
